うちのじいちゃん、大正１５年生まれ
同じ敷地だけど 別棟に一人暮らし
８７歳の今も自分のことは全部自分でする
畑でおいしい野菜を作ってくれる
お山に石拾いに行って 削って 細工して楽しんでる
秋にはきのこをたんと採ってくる
きのこ博士って頼りにされている
きのこ 楽しみにしている方に分けてあげると
お返しに色々なものをいただく
いのししやら鹿やらの肉になることもある
あたち 嬉しい
昨日は ほんとならじいちゃんが行くべき
自分のお兄さん （９１歳） のお嫁さんの１年祭に
息子の嫁 （お母ちゃんのことよ） に行かしといて
自分は お友達と あっちこっち遊びに行ってきたんだとか
ご機嫌で帰ってきた
不ぞろいのほうれん草 だとか
見かけのわりい ブロッコリー だとか
えれえ やしい ぼたもち だとか
いろいろ たくさん もろもろ
買い込んできた
ぼたもちがこんなに やしいワケねえかんなあ
こりゃあ たいあたりの米 つかってんだんべよ
たいあたりの米？
元気なお米なんだ
あたちも お散歩のときお母ちゃんに体当たりして
お母ちゃんを転ばしたことあるよね
そのお母ちゃん、１年際に行くのに
ズボンがきつくて呑めるかどうか心配してたけど
呑みに行くんじゃないってえの
やっぱ、知らない人ばかりだと
おいしく呑めないもんなんねえ とか言っちゃって
夜 おうちで 呑み直ししてた
だから、呑みに行ったんじゃないでしょっての
で、昨日はありがたい お坊さんのお話を聞いてきたんだって
１年祭ってのは
亡くなった人が 残された人に
ふたたび 顔を合わせて互いの無事を喜び合う機会を作ってくださっている
お祭りなんだと
そういえば お葬式でもないと なかなかあえない親戚ばかりだ
おじいちゃんも元気だし
のん兵衛夫婦もまあまあだし
平和な 何事も無い日常の幸せ 感じちゃうなあ
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