春のお日様も、5月が近いと元気よくって
黒ラブにとってはきっついわあ。
お母ちゃんは、今夜から来るという にいに とその小さい子達のために
洗濯に布団干しと、このお天気をありがたがっているけど、
あたちの息は荒い。べろは長い。
朝6時でこの天気
お山はぼやぼやかすんで、まるで本家のリュウ君の
わき腹のようだ。
「こういうの山が笑ってるって言うのよ」っておかあちゃんが言う
柴犬はこの時期、毛が抜ける抜ける。
本家のリュウ君なんか下から押されて、毛が盛り上がってる。
ああいうのを見ていると、お母ちゃんむしりたくなるんだって。
乙姫おねえちゃんがいたころは、よくむしったんだってさ。
お散歩しながら突然毛を抜かれてびっくりしたろうね。
乙姫おねえちゃんは、「痛っ」って顔で振り向くけど
絶対逆らわず、目をしばしばさせて
(柴犬だから?)
おかあちゃんを見て、また、黙って歩き出してたって。
お母ちゃんも、「悪いことしたなぁ」って思うんだけど
また、見ているうちに我慢できなくなって
浮いている簡単に抜けそうなところを狙って引っこ抜いて、
乙姫姉ちゃんが振り返っての、繰り返し。
なんという迷惑なお母ちゃんと、けなげなお姉ちゃん。
左が乙姫お姉ちゃん。右は本家の先代犬、サスケ君。
お姉ちゃんはお母ちゃんに毛を抜かれてきれいだけど、
(「違います、ブラッシングしてたんですってば。」母の言い訳)
サスケちゃんは、ちょっとぼこぼこしてる。そこがかわいい。
このサスケちゃん、5年前の5月1日。
突然、お空に駆け上っちゃったんだって。
その前日、アトラス兄様と乙姫姉ちゃんと一緒に
お母ちゃんが散歩させてたときは、なんとも無かったって言うけど。
今はお空でみんなして遊んでいるのかな。
お空から吹いてくる風が気持ちいい。
「今夜から怪獣たちがやってくるよ。
今のうちにのんびりしときなね。」ってお母ちゃんが言う。
やれやれ、あたちも子守に忙しくなるのね。
今のうちにお昼寝しとかなくっちゃ。